超高齢社会を乗り越える

超高齢社会を乗り越える

ヘルスケア・ニューフロンティア

過日の安倍首相の施政方針演説でもありましたが、「人生100年時代」と言われるようになりました。
日本は、世界でも類をみない超高齢社会を迎えようとしています。中でも神奈川県は1970年に4.7%であった高齢化率が2050年には36.4%になると予想されており、そのスピードは全国的でも一、二を争うほど速いとされています。
何が問題かと言うと高齢化による医療費の増加です。日本は寿命が伸びましたが、健康寿命は伸びていません。(リンク:2016年3月コラム)
そこで県が超高齢社会を乗り越えるために打ち出した政策が「ヘルスケア・ニューフロンティア」です。
これは「最先端医療・最新技術の追求」と「未病の改善」の2つのアプローチを融合させた取組みで、「個別化医療」の実現とライフスタイルの見直しを促進。健康寿命を延ばし、誰もが健康で長生きできる社会を目指すというものです。また、この取り組みを進めていく過程で未病産業などの新たな市場・産業の創出を目指しています。

図:ヘルスケア・ニューフロンティアの推進

出典:神奈川県HP

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「個別化医療」というのは一人ひとりで異なる遺伝子情報や診療情報など膨大なデータを解析し、患者一人ひとりの特性に応じた最適な医療を施すことです。
神奈川県内には最先端の医薬品・医療機器メーカーの工場や研究所、理工系の大学や研究機関が数多くあり、これらと連携して個別化医療の実現に取り組んでいるそうです。

図:未病とは

出典:神奈川県HP

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「未病」とは東洋医学の概念の一つで、人間の健康状態は「健康か病気か」といった二つに区別できるわけではなく、健康と病気の間で常に連続的に変化するものとしてとらえる考え方です。
「未病の改善」というのは、病気になってから対処するのではなく、普段の生活において心身を整え、健康な状態に近づけることです。

県は未病の改善には「食」「運動」「癒し」が効果的ということで、「未病を改善するツアー」を実施しています。
このツアーは温泉や地場の食材など、豊かな自然に恵まれた県西地域の資源を未病の改善に連携させたもので、地域産業に貢献することにも繋がっています。
主な実施例として下記のようなものがありました。
「食」「運動」「癒し」にこだわった内容になっています。

「神奈川の味覚と名酒を堪能する郷弁と酒蔵巡りの旅」
コース:小田原駅~洒水の滝~あしがり郷瀬戸屋敷(郷弁)~中澤酒造~石井醸造~小田原駅

図:未病を改善するツーリズム

出典:神奈川県HP

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また県は「マイME-BYOカルテ」というアプリを配信しています。
このアプリは薬情報や健康情報等をパソコンやスマートフォンを通じて閲覧できるものです。
詳しい内容は下記をクリックしてみてください。
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f532715/p991437.html

他にも手軽に自身の今の体調などを調べられる「未病チェックシート」というのもあります。
これは慶應義塾大学SFC研究所が県からの依頼で制作したもので、3万件を超える症例の解析に基づいてアドバイスが受けられます。
是非、お試しください。
http://me-byo.com/

「ヘルスケア・ニューフロンティア」政策が功を奏し、誰もが健康で長生きできる社会になるといいですね。