社長のコラム

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12.民泊について考える

■民泊の現状は
政府は訪日外国人数を2030年には6000万人にすることを目標としました。これには「民泊」が必須と言われています。

「民泊」は宿泊料を受け取る営業が常に行われていなければ、旅館業法の規制は受けません。しかし宿泊料を受け取る目的で常に部屋と寝具が用意されていると、旅館業経営となります。この場合、宿泊施設は防火設備や建物構造、衛生基準などが一定の基準を満たす必要があり、基準を満たしていない場合は違法です。現在行われている「民泊」の多くは違法だといわれています。しかし違法でありながらも、急増している観光客に対して宿泊施設が足りないため、あまり取り締まりは行われておりません。

これに対して、全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会は、「急増する民泊を阻止しよう」というスローガンを掲げています。
旅館・ホテル業界は法律を守るために、これまで多額の設備投資を行ってきたわけですから、不公平感はかなりあると思います。

このような状況下で、政府はホテル不足解消の対策として「国家戦略特区」で旅館業法の規制を緩和するという政令を出しました。
民泊条例を制定できる「特区」は「東京圏」(東京都、神奈川県、千葉県)と「関西圏」(大阪府、兵庫県、京都府)の他、新潟市、福岡市、北九州市、仙台市、沖縄県、愛知県などです。
国家戦略特別区域法施行令で定められた主な「民泊」の条件は表の通りです。


図:国家戦略特別区域法施行令で定められた主な「民泊」の条件
出典:blogos.com

神奈川県の黒岩知事は「国家戦略特区による民泊は有効性がある。可能な地域から特区の活用を進めていく」としています。
例えば県内有数の観光スポットである鎌倉には、宿泊施設があまりありません。条例により大きなホテルが建てられないことが主な理由だそうです。年間2,000万人を超える観光客が訪れる鎌倉に、宿泊する方は僅か2%。これでは地元への経済効果があまりなく、とてももったいないと思います。

観光立国を目指す日本としては、訪日外国人が増えてくれるのは、とてもありがたいことです。宿泊施設の不足を解消するために「民泊」も必要なことだと思います。


■民泊のメリットとデメリット
立場の違いによる「民泊」のメリットとデメリットを分かりやすくまとめたものが、「マンション・チラシの定点観測」というブログに掲載されていましたのでご紹介します。この表を見ると、それぞれメリットとデメリットがありますが、もしマンションの一室で「民泊」が行われた場合、そのマンションに住む住人とってメリットは何一つなく、デメリットが非常に大きいことが分かります。不特定多数が出入りする「民泊」は、安心・安全が確保できないだけではなく、資産価値が下がることがデメリットとなるわけです。テロリストの温床なる可能性も否定できません。
ある大手不動産会社はこれから販売するマンションで、「民泊禁止」の条文を管理組合規約に盛り込んだ「民泊禁止マンション」の販売を発表しています。


図:立場の違いによる「民泊」のメリットとデメリット
出典:マンション・チラシの定点観測

訪日外国人が仮に1日2万円消費し、5日間滞在するとすれば10万円。1,000万人増加すると1兆円消費が増えることになります。日本の人口が減少する中で国内消費を増やしていくには、訪日外国人の増加が不可欠です。
これに対応するために、「民泊」の現状を踏まえて、旅館業法の見直しや条例の柔軟性、それによって起きる諸問題、諸外国の例を参考に早急に検討し、よりよい解決策を導き出していく必要があるのではないでしょうか。


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3.大切なのは健康寿命

■健康寿命
神奈川県では「未病を治すかながわ宣言」として様々な取り組みを始めていますが、今回は健康寿命について調べてみました。

健康寿命とは健康上の問題がない状態で日常生活を送れる期間のことです。
アメリカのワシントン大学などの研究チームが、世界188カ国の2013年の健康寿命を調べたところ男性も女性も日本が1位でした。
2位以下は表のとおりですが、男性の3位、女性の2位に入っているアンドラという国をご存知ですか?
ピレネー山脈にあるフランスとスペインに挟まれた面積468㎡、人口70,570人の小さな国です。(地図はコチラ)
なぜこの国の健康寿命が長いのか調べてみると、その秘密は「きれいでおいしい水」「最高の医療制度」「地中海料理」「安定した社会情勢」にあるようです。

図:国家戦略特別区域法施行令で定められた主な「民泊」の条件

日本国内の都道府県別の健康寿命の統計(2010年)も発表されていますので、ご紹介します。
神奈川県は男性が12位、女性が13位、男女合わせると12位です。
男性の上位3県は1位が愛知県、2位が静岡県、3位が千葉県。
女性の上位3県は1位が静岡県、2位が群馬県、3位が愛知県。
また男女合わせると1位が静岡県、2位が愛知県、3位群馬県となっています。

図:都道府県別 日常生活に制限のない期間の平均

図:2013年 健康寿命 都道府県別ランキング


ではなぜ静岡県が1位なのか調べてみました。
静岡県には以下のような特徴があります。

①地場の食材の豊富さ、全国1位。
静岡県の農水産物の生産品目数は219品目もあり、栄養をバランスよく摂取できるそうです。
②飲酒習慣者の割合、全国46位。
因みにお酒大好きとされる高知県の健康寿命ランクは45位です。
③肥満者の割合、全国43位。
④1日に歩く平均歩数 男性10位。女性 5位。
⑤米の消費量、全国1位。
長年に渡り米を食べてきた日本人の消化器官は米を消化するのに適しており、油の多い食物は胃腸などに大きな負担をかけるそうです。
⑥お茶の消費料、全国平均の2倍。
静岡県らしいですね。お茶は動脈硬化や糖尿病の予防になり、緑茶に含まれるカテキンはガン細胞の増殖を抑えるとのことです。反対にお茶の消費量が少ないのは香川県、愛媛県、青森県、高知県で、いずれも健康 寿命は下位です。

こんな理由から静岡県は健康寿命が長いと分析されています。
また、静岡県はみかんの産地ですからビタミンCの摂取量も多いでしょうし、気候が温暖で過ごしやすいため、家に閉じこもることが少なく活動的なことも大きな一因といわれています。


■平均寿命と健康寿命の差
日本人の平均寿命は世界的にみてトップにランクされています。2013年の統計では、日本の男性は6位で80歳、女性は1位で87歳です。男女合わせると1位は日本で84歳、2位が7ヶ国あって、アンドラ・オーストラリア・イタリア・サンマリノ・シンガポール・スペイン・スイスで83歳です。長寿の国はヨーロッパに多いようです。

図:世界平均寿命ランキング



ところで平均寿命が長く健康寿命が短いと、健康でない状態が長いということになります。
若干数字が違うのですが、厚生労働省が日本人の平均寿命と健康寿命の差を発表しています。
平成22年では、男性の平均寿命は79.55歳、健康寿命は70.42歳、その差は9.13年。
女性の平均寿命は86.30歳、健康寿命は73.62歳、その差は12.68年。
つまり平均して男性は9.13年、女性は12.68年、日常生活に制限のある「不健康な期間」を送らなければならないということです。

図:平均寿命と健康寿命の差



主な国の「不健康な期間」は、アメリカ:8.0年、フランス:7.7年、イギリス:7.6年、イタリア:7.0年、ドイツ:6.9年というように、おおよそ7~8年程度です。
日本は世界的にみて平均寿命も健康寿命も長いですが、「不健康な期間」も長いですね。
大切なのは健康寿命であり、平均寿命のデータは無意味だという意見もあります。
今後も平均寿命は延びていくことが予想されていますので、健康寿命との差が大きくなれば、「不健康な期間」も延びることになります。平均寿命の延び以上に健康寿命を延ばさなければなければなりません。

図:主な国の不健康な期間



超高齢社会を幸せに生きるには「未病を治す」ことが大切です。
「適度な運動」や「適切な食生活」など、日々のちょっとした努力が生活習慣病を予防し、健康寿命を延ばすことにつながります。 老後は少しでも長く健康でいたいものですね。


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