宿泊税の導入

宿泊税の導入

訪日外国人の急増対策に宿泊税

訪日外国人が増えることはとても良い事だと思いますが、問題がないわけではありません。
朝日新聞に『超満員のバス、消えゆく情緒・・・急増する訪日客に京都苦悩』(2017年6月14日)という記事が載っていました。『急増する外国人観光客が日本屈指の観光都市・京都に押し寄せ、住民の日常生活に思わぬ影響が出始めている。バスは満員、違法民泊も増え、「もはや限界」「観光公害」という声が出るほどだ。』という内容です。
京都はかなり大変なことになっているようです。また京都の情緒が消えてしまうのは、とても残念です。

写真:混雑する京都の街並み 出典:PRESIDENT Online

そこで京都市は観光整備のための資金として今年の10月から宿泊税を徴収することを決めたそうです。
門川京都市長は「観光が京都の雇用創出や経済活性化に寄与しているのは事実だが、魅力の維持には多くの税金が投入されてきた。観光客にも一部を負担していただき、宿泊税を京都の魅力向上に役立てたい」と記者会見で述べました。

宿泊税はヨーロッパの有名な観光都市(パリ、ローマ、バルセロナ、リスボン、ブリュッセル、チューリッヒなど)で導入されています。日本では2002年に東京都、2017年1月に大阪府が導入しました。
東京都は1人1泊1万円以上で100円、1万5000円以上で200円、2016年度の税収は24億6000万円
大阪府は1人1泊1万円以上で100円、1万5000円以上で200円、2万円以上で300円、2017年度の税収は10億円前後と予想しています。
これに対し、京都府は1人1泊2万円未満で200円、2万円以上5万円未満で500円、5万円以上で1,000円、年間で45億6000万円の税収を見込んでいます。
かなり強気な数字かもしれませんね。

宿泊税の導入2

図:東京都・大阪府・京都市の宿泊税比較

出典:日経新聞(2017年10月2日)より作成

(画像をクリックすると拡大します。)

この他にも金沢市が2019年4月から導入、北海道や沖縄県・福岡県などでも導入の動きがでており、全国知事会では宿泊税法定化の検討を行っています。
一方で、旅行・観光業界からは不安の声も上がっています。「観光客の誘致は国レベルで激しい競争が続いており、観光客に負担を強いることで訪日客が減るのではないか」「京都市や北海道のようにブランド力が高い地域は影響が少ないだろうが、それほどブランド力の高くない地方都市だと観光客減少につながる可能性がある」というものです。

賛否両論がある宿泊税ですが、横浜市や神奈川県はどうなのか調べてみますと、横浜市は今のところそういった動きはないようです。
一方、神奈川県は昨年1月に「神奈川県観光客受入環境整備協議会」が発足。宿泊税の導入を含む観光客の受入環境の整備について話し合いが行われ、9月に協議結果が発表されました。
宿泊税については以下のような結論です。神奈川県では宿泊税の導入はしばらくないようですね。

●神奈川県で宿泊税の導入を検討する際には、横浜市や箱根町に税源(宿泊客)が偏在していることや、
 特別徴収義務者となる宿泊施設に新たな事務負担が発生すること、入湯税との関係を調整することなど、
 様々な課題が存しているため、東京都・大阪府型の法定外目的税としての宿泊税の導入を県として拙速に進めるべきではない。

●今後は、県として、全国知事会の宿泊行為に対する課税の議論も注視しながら、
 それだけではなく、広く、浅く、平等に観光客や来訪者に対して課税する税なども含めた、
 財源確保方策の議論を慎重かつ丁寧に進めていくべき。

 都市間競争、観光の広域化と連携の強化を考えると横浜・神奈川のPRや諸々の課題解決の財源にいずれ必要になる気がしています。勝たないことには意味がありません。