日本の人口減をどう考えるか。

日本の人口減をどう考えるか。

将来の日本の人口は?

日本の総人口は2008年の約1億2808万3千人をピークに減り続けていますが、将来はどうなるのでしょうか。
総務省が5月に発表した人口推計によりますと、2014年12月1日現在、総人口は約1億2,706万4千人、前年同月に比べて21万2千人(▲0.17%)の減少。ピーク時に比べて101万9千人もの減少になります。 内訳をみますと、0~14歳の人口は1,621万3千人で、前年同月比15万6千人(▲0.95%)の減少。生産年齢とされる15~64歳の人口は7,768万1千人で、前年同月比115万6千人(▲1.47%)の減少。これに対して高齢者とされる65歳以上の人口は3,317万人で、前年同月比110万人(3.43%)の増加。年齢構成の割合は、0~14歳が12.8%、15~64歳の割合は61.1%、65歳以上の割合は26.1%となります。まさに超高齢社会ですね。

図:人口推計

出典:総務省統計局資料より

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図:総人口の推移

出典:総務省統計局資料より

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今後、この数字がどのように推移していくのかを内閣府が発表していますが、このままでは2050年には日本の総人口は9,708万人と1億人を割り込み、2060年には8,674万人になるそうです。想像がつきません。
しかもその内、65歳以上は39.9/%で15~64歳は約51.0%。1.3人で1人の高齢者を支えるという構図だそうです。

図:年齢区分将来人口推計

出典:総務省統計局資料より

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世界的にみても日本の高齢化は突出しています。2010年の世界の主要国における高齢化率で世界のトップ3は、日本(23.0%)、ドイツ(20.8%)、イタリア(20.3%)です。
65才以上の人口が7%になると高齢化社会、14%になると高齢社会、21%になると超高齢社会というそうでが、日本は高齢化社会から高齢社会に至るまでの期間が、1970年から1994年までの24年間でした。因みにフランスは114年間、スウェーデンは82年間、アメリカは69年間、イギリスは46年間かかっています。
日本の高齢化のスピードが突出しているということです。

図:世界の高齢化率の推移

出典:内閣府平成26年版高齢社会白書より

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神奈川県は高齢化の進展が速い

総務省等の推計で神奈川県の高齢化の進展が速いことがわかりました。全国の都道府県の中で第3位です。2013年は人口に対しての高齢者の割合が22.4%だったのに対し、27年後の2040年は35.0%と12.6%伸びると予測されています。
高齢化率そのものは、2013年が44位、2040年が41位と全国的には高くはないのですが、なぜ進展がこんなに速いのでしょうか?気になるところです。

出典:2013年は総務省「人口推計」、2040年は国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(2017年3月推計)

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日本創生会議の提言

6月4日「日本創生会議」(座長・増田寛也元総務相)が、東京圏(東京、神奈川、千葉、埼玉)の75歳以上の後期高齢者が今後10年間で397万人から572万人と急増し、深刻な医療・介護サービス不足に陥るとして高齢者の地方移住を促すよう政府や自治体に求める提言を発表しました。
神奈川県だけでみても、75歳以上の後期高齢者は46%増加し148万人なると推計されています。これに伴い、介護施設の受け入れ能力は、2025年には2万3千床、2040年には3万1千床が不足するそうです。「日本創生会議」によると神奈川県も急速に医療・介護の提供が難しくなるので、県外への移住策も考える必要があるとのことです。高齢者が地方に移り住むことで、医療・介護関連の雇用が拡大し、若者の地方離れを防ぐ効果もあるかもしれません。
しかし、この提言に対しては黒岩知事の「首都圏の高齢者を地方へというのは無理がある。縁もゆかりもない地方に、医療も介護も充実しているから『どうぞ』というのは大丈夫なのか」という意見をはじめとして、各自治体の首長は複雑な反応をみせています。

図:2025年にかけての後期高齢者増加の見通し

出典:日本創生会議:「東京圏高齢化危機回避戦略」図表

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図:東京圏の後期高齢者収容能力(PDF)

出典:日本創生会議:「東京圏高齢化危機回避戦略」図表

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「日本創生会議」といえば、昨年5月に「消滅可能性都市」を発表し、大きな反響を呼びました。「2040年までに全国の市区町村の約半数にあたる896の市区町村が消滅する」という大変ショッキングな内容でした。
「消滅可能性都市」とは、2040年の時点で出産可能年齢の95%にあたる若年女性人口(20~39歳)が半減する自治体と定義されています。
今回の数字は、2010年の国勢調査を基にした試算されていますが、2040年までに人口1万人を切る523の自治体は、とりわけ消滅の危険性が高いということです。
都道府県別では、青森、岩手、秋田、山形、島根の5県で8割以上の自治体に消滅の可能性があるとされており、5割以上が消滅する可能性がある自治体は24道県となっています。
神奈川県内では三浦市、二宮町、大井町、松田町、山北町、箱根町、湯河原町、清川村の8自治体が「消滅可能性都市」だそうです。
因みに東京の豊島区のような都会もリストに入っているのは、驚きでした。これに対し、豊島区やそこに住む住民たちから相当な反発があったようですが・・・。

人口は減ってもいいし、高齢化社会もいいと思っています。
問題はこれらによってGDPが実質減少することです。経済成長がマイナスになると言うことだけは避けたいですよね。一番の問題は労働力人口の減少です。
人口減少や高齢化によって労働人口が減ると給与の収入が減って消費が減りGDPが下がってしまいます。
ざっとの話ですが、約6000万人の労働人口があるとして、単純に考えると1%減少で60万人。例えば一人当たり500万円の収入が年金だけの250万円になってしまうと1兆5000億円消費が減る勘定になります。
現在GDPは約500兆円ですから、労働人口が1%減ると消費が0.3%減る計算となります。実際には労働力人口は2000年が6766万人、2012年が6628万人と138万人も減っているわけですから、これだけでGDPを約0.7%押し下げる要因となっています。
ですから、今後は女性の社会進出や一人当たり生産性(給与)をどうやって上げるかと言うことが私たち企業に課された使命になると考えています。

図:労働力人口の推移
出典:厚生労働白書

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図:日本の実質GDPの推移
出典:内閣府 国民経済計算(GDP統計)

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