■観光収入が伸びていない
訪日外国人数は毎年増え続け、2020年には政府が目標とする4,000万人を達成しそうな勢いですが、観光収入はあまり伸びていません。昨年は約5兆円で、2020年の政府目標である8兆円の達成はかなり厳しいものがあります。
観光客が増えると単純に観光地のコストも増えます。京都などでは観光公害という言葉も聞かれます。観光客がたくさん来てもバックパッカーばかりで、お金を使わずに帰ってしまうのでは、観光地のメリットはあまりありません。
現在は、アジア特に中国・韓国・台湾からの観光客が圧倒的に多いわけですが、これらの国の景気や情勢によっては、訪日外国人観光客数の伸びは鈍ってくるかもしれません。中国人の爆買いも一時ほどではなくなっています。
やはり観光収入を伸ばすためには、もっと数多くの国から日本に来てもらう必要があると思います。
欧米豪からの観光客は滞在日数が長く、特にフランスやオーストラリアからの訪日外国人は約45%の方が14日間以上滞在しています。それだけ多く日本に経済効果をもたらすことになるわけです。やはりこれからは、こういった国々に向けてもっときめ細かいマーケティングを実施し、積極的なPRが必要ではないでしょうか。
観光庁では娯楽サービスの魅力が充実すれば、滞在日数の増加につながり、宿泊、飲食、買い物などへの消費増も期待できるということで、野外アクティビティやナイトライフなど、いわゆるコトを充実させる施策を検討しているようです。
また、フリーWi-Fiを使用できる環境を整えることや多言語表記・タブレット型通訳サービスの導入などにより訪日外国人の対応を改善することも滞在日数を増やすには必要です。
しかし、実施するのは私たち民間人です。そのための投資が必要です。これからが正念場です。
図:訪日外国人滞在日数
出典:観光庁 訪日外国人の消費動向より
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