■屋外広告の指標
弊社は長年に渡り神奈川県内を中心に、電柱広告をはじめ各種看板等の屋外広告を数多くのお客様にご利用いただいております。
テレビには視聴率、ラジオには聴取率、新聞や雑誌には発行部数というように、広告効果について一定の指標がありますが、残念ながら屋外広告にはそれがありませんでした。
指標がないということは、マス媒体と比べてどうしても広告効果が低く見られてしまいがちです。しかし地域に特化した媒体ですので、テレビCMなどと比べると非常に安価ですし、お客様が何かの行動する際に一番先に企業名や商品名を思い出してもらうこと、またホームページへの誘導など大いに役立っています。
指標ができるとテレビCMなどの代わりに地域を絞って広告を出すことができるので、屋外広告の革命的な変化が起きると思います。
欧米では既にVAI(Visibility Adjusted Impacts)という屋外広告の指標があり、
①人々の行動パターン
②車と歩行者の通行量
③視認率実測調査
④屋外広告ごとの属性データ
以上の4項目の調査結果から屋外広告それぞれの推定視認者数を算出するそうです。
日本でも1999年に「業界標準の広告効果管理データ策定」を目的として「屋外広告調査フォーラム(現:日本屋外広告フォーラム)」が設立されました。現在は弊社を含め広告会社など約60社が参加しています。
ここでは屋外広告の効果指標として「DEC(Daily Effective Circulation)の算出統一基準の策定」や「屋外広告指標推定システムの開発」などを行っています。
DECとは「その屋外広告を見ることが出来る場所を1日当り何人が通行したか」という数字のことです。
DECの導入によるメリットとして「異なった場所にある屋外広告を同一基準で比較できる」ことや「他の媒体との効果比較が可能になってくる」ことが上げられています。
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■長期媒体効果調査
(出典:日本屋外広告フォーラム 調査委員会 活動報告)
それでは「日本屋外広告フォーラム」が昨年9月に実施した長期媒体効果調査の結果をご紹介します。
長期媒体は原則として1年以上継続して同じ意匠が掲出されているものとしています。
調査対象屋外広告は表にある6素材です。
図:調査対象屋外広告(6素材)
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Ⅰ.屋外長期媒体の見られ方について
①今回の対象媒体はどのくらいの認知度?
「あなたは、この屋外広告(看板)を見たことがありますか。」とういう問いに対し、企業別長期媒体広告認知度は6割前後が中心で、比較的最近掲出された銀座の「食品」がやや低めの45%。最も新しい渋谷の「証券」はテレビCMなど他メディアでも積極的に出稿しており認知度は高めです。
図:企業別屋外長期媒体広告認知
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②どのような年代の人が見ている?
「あなたは、この屋外広告(看板)を見たことがありますか。」という問いに対し、屋外長期媒体広告の認知度は、企業特性により異なる面もありますが、今回対象の6企業(屋外広告)では概ね若年層(特に10代)で高い傾向にあります。
図:企業別屋外長期媒体広告認知
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Ⅱ.来街頻度からみる屋外長期媒体の効果
①来街頻度による認知や企業/ブランドへの好意などに違いはあるか?
来街頻度の高い人は当該広告の企業/ブランドについて「よく知っている」人が多く、企業・ブランドへの好意度も高く、そのため当該商品・サービスの購入意向も積極的です。
図:来街頻度別に見る企業・ブランド認知・
好意度・購入意向
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②認知者や好意者・購入意向者の来街頻度別の内訳はどうなっている?
全体構成比との差を見ると、各指標において「ほぼ毎日/よく行く」人よりも「ときどき行く」人の方が、構成比スコアの差が大きい傾向にあることが分かります。この事は、企業やブランドの「認知・好意・購入意向」といったスコアの上昇に「長期にわたる接触の積み重ね」が有効であることを示唆しており、長期媒体ならではの強みと言えます。
図:広告認知・企業/ブランド「認知・好意・購入
意向者」に占める来街頻度別の構成比
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Ⅲ.認知時期別にみる屋外長期媒体の効果
①屋外広告の認知時期別に企業/ブランド認知、好意を見てみると?
企業/ブランド認知と好意を屋外広告認知時期別にみると、屋外広告を「最近(1年以内)」認知した人が高めですが、「以前から(1~3年)」「昔から(3年以上前)」認知している人もさほどスコアに差は見られません。長期掲出により忘れることなく認知や好意が継続されている様子がうかがえます。
図:屋外広告認知時期別に見る企業/
ブランド認知・好意
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②屋外広告の認知vs非認知で企業/ブランドイメージを見てみると?
「あなたは、(企業名/商品・サービス名)にどのような印象をもっていますか。」という問いに対し、企業の特徴といえるイメージワードのスコアが、屋外長期媒体広告の認知者の方が非認知者よりも目立って高いことがわかります。
図:屋外広告認知者/非認知者別に見た企業/
ブランドイメージ評価
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屋外長期媒体効果調査結果」のまとめは下記の通りでした。
屋外長期媒体は、若年層ほど認知度が高い傾向にある。
来街頻度との関係分析から、屋外広告が来街者に確実に届いており、更にボリュームゾーンである「ときどき行く」ような人達にも、長期間の掲出により接触回数を重ねることで確実な認知浸透、好意醸成・購入意向上昇につながっている。
屋外広告媒体は、企業や商品に則した肯定的なイメージ醸成に効果が認められる。
「参照」調査方法
屋外広告の効果は、どれだけの人がその広告に注目したかということになります。
「日本屋外広告フォーラム」では
①看板の面積
②設置位置および設置角度
③設置高さ
④クラッター(広告の混雑度)
⑤照明の有無
以上の5項目から視認率を推定し、推定視認率に視認可能範囲のサーキュレーション(歩行者数)を掛けることで推定視認者数を算出できる「屋外広告指標推定システム」の構築や「歩行者用(繁華街)ボードの指標策定」等に取り組んでいます。
図:屋外広告指標推定システム
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図:歩行者用(繁華街)ボードの推定視認率(例)
出典:日本屋外広告フォーラムのご案内より
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このように屋外長期媒体は来街者に確実に届き、企業のブランディングや購入意向の上昇に大きな効果を上げていることが分かりました。
なお、屋外広告は長期の媒体だけではなく、短期の媒体も大きな効果を上げていますので、次回は「屋外短期媒体キャンペーン広告調査結果」をご紹介します。