日本の広告費の違いは何?

日本の広告費の違いは何?

日本の広告費の違いは何?

先日電通が2014年の日本の広告費を発表しました。6兆1,522億円、前年比102.9%と統計全体的に前向きな統計が出ています。経済産業省(以下経産省)の統計でも5兆7,625億円、前年比103.6%と全体ではいい結果になっています。
ところが、媒体別に見ると大違い。
マスコミ4媒体(新聞・雑誌・ラジオ・テレビ)の結果は大して変わりませんが、屋外広告は電通の統計では102.5%と2.5%プラスなのに対して、経産省の統計では92.4%と7.6%のマイナスという結果でした。約10%の差があります。また折込・DMは電通がマイナスなのに対して、経産省はプラスでした。
これは、どうやら統計の母集団の違いのようです。電通は媒体社まで含めたアンケート調査ですが、経産省は広告事業者だけの調査ということでこう言う結果が出ているようです。
面白いですね。でも母数が何かは、数字を見る時に注意していないと間違いの元ということですね!

図:媒体別広告費(電通)

(↑画像をクリックすると拡大します)

図:広告業の業務種類別売上高(経済産業省)

(↑画像をクリックすると拡大します)

インターネット広告

媒体別広告費で気が付くのはインターネット広告費の伸びです。電通の統計によると、昨年は媒体費・制作費の合計で1兆519億円。ついに1兆円の大台を超えました。一昨年は前年比108.1%、昨年は前年比112.1%と大きく伸びています。今やテレビに次ぐ広告媒体となりました。
また2008年~2009年のリーマンショックと2011年の東日本大震災の影響で各媒体が大きく落ち込んだ時にも、インターネット広告は伸びを続けていたことがわかります。
JR東日本が電車の中吊り広告もデジタル化するという発表がありました。デジタルのインフラ(ツールや手法)は、どんどん変化しています。スマホ市場を含めたインターネット広告全体もまだまだ伸びていくのではないでしょうか。
最近の面白い傾向は、スマホのアプリの広告をTVなどの既存メディアを使っていることです。これによりアプリのダウンロード数は大幅に増えているそうです。つまりインターネット広告だけでもダメ、既存媒体の広告だけでもダメと言うことです。当然のことですが、効果的な広告戦略を立てる際は、それぞれの媒体の特性を熟慮しなければなりませんね。

図:媒体別広告費(前年比)(電通)

(↑画像をクリックすると拡大します)