■過去最低を更新した項目
前回に引き続き、日本人の意識や行動の変化について、博報堂生活総合研究所が調査をした結果をご紹介します。
前回は2018年に過去最高を更新した項目でしたが、今回は2018年に過去最低を更新した主な項目です。減少ポイントが多い順に見てみます。
●「お歳暮は毎年欠かさず贈っている」(-34.5pt)
1994年 61.8% → 2018年 27.3%(-34.5pt)
1994年以降はほぼ右肩下がりで減少。2018年は初めて3割を下回る。
お中元についても過去最低(1994年58.2%→2018年24.9%)。
お歳暮もお中元も随分減ってきています。会社の人と飲食することも減っているのですから、伝統的な贈答儀礼にこだわらなくなってきているのも納得できます。もしかすると20年後位には無くなっているかもしれません。
●「貿易の自由化は賛成である」(-28.0pt)
1992年 41.8% → 2018年 20.1%
1992年以降しばらく40%台で推移。2000年時点で30%台に低下。その後減少を続ける。
自由貿易で支えられている国がこれでいいのでしょうか?自由貿易の問題について慎重な考え方になってきています。
●「お米を1日に1度は食べないと気かすまない」(-23.5pt )
1992年 71.4% → 2018年 47.9%
1992年以降ほぼ右肩下がりで減少。2016年に5割を下回り、2018年に最低を更新。
「和食の料理が好きなほうだ」も減少(1998年65.8%→2018年45.0%)
1962年の日本人一人当たりのコメの消費量は118.3キロでしたが、2016年は54.4キロと半分以下になりました。そして2013年以降はパンの消費金額がコメの消費金額を上回っています。
また、50代以下の人は和食を作るのが、苦手だという意見もありました。
そういったことからも食の嗜好が大きく変化しているようです。
ご飯党の私としては「なぜ?」という感じです。
●「普及品より、多少値段がはってもちょっといいものが欲しい」(-22.8pt)
1992年53.4% → 2018年30.6%
1992年以降しばらく50%前後で推移。2000年に40%台前半に低下。その後ゆるやかに減少を続ける。
以前は半数の方はちょっと値段がはってもいいものをという思考でしたが、今は3割となっています。100円ショップに代表されるように、安くて便利な商品がたくさんあります。また実質賃金が上がってないことやスマホに支払う金額が大きいことも影響しているのかもしれません。
●「いくつになっても恋愛をしていたいと思う」(-20.6pt)
1998年49.9% → 2018年29.3%
1998年の約5割から減少を続け、2018年には3割を下回る。
男女別に見ると男性は49.1% →26.7%、女性は50.6% →31.8%でした。女性の方が5%ほど高いわけですが、いずれにしても恋愛に対する考え方は変わってきているようです。
私はノーコメント(笑)
●「家の中よりも、野外で遊ぶ方が好きだ」(-19.9pt)
1992年45.4% → 2018年25.5%
1992年以降はしばらく40%前後で推移。2000年以降は継続して減少し直近で25%。
「一年を通して何かスポーツをしている」も減少(1998年33.3%→2018年24.5%)
野外で遊ぶのが好きな方やスポーツをしている方も随分減りました。もし家の中でゲームをしているのが主な原因だとしたら、何か不健康になってきている感じがします。
図:2018年に過去最高を更新した主な項目
出典:【博報堂生活総合研究所「生活定点」調査】より作成
次回はこの他にも気になった項目がありましたので、ご紹介します。