「自然災害に備える」               ~ 富士山噴火!!その時あなたはどうする!?~ 

このところ日本で7月5日に大地震が起こるという話が流布されています。その影響で東南アジアからのインバウンドが少なくなっているとのことです。そんな中、京都大学名誉教授 鎌田浩毅(かまた・ひろき)氏の表記題名での講演を聞く機会がありました。

話をまとめてみると、

・2030年~2040年に南海トラフの地震が起こる可能性が高い。

・地震が起きると火山噴火の引き金になる可能性がある。

・火山の噴火が起こると、1ヵ月は経済活動が止まる。

・最低、家では1週間分、会社では3日分の水、食糧、簡易トイレ、医薬品などの用意をしておく必要が   

望ましいとのことでした。

 火山の噴火は地震と大きく関係しています。直接と言うことではないようですが、微妙な因果関係があるようです。火山にはマグマ溜りが地中20km下にあり、地震でその周りに亀裂が入るとマグマに含まれている水が水蒸気となり、噴火につながるそうです。

1.火山爆発について

火山が爆発すると甚大な被害が出る。それはなぜかと言うと、火山灰というのは、ガラスの欠片でできていて(だからゴーグルやマスクが必要)、火山灰が下水に流れ込むと中で固まり下水が溢れる、細かい粒子がコンピュータの誤作動を誘発する、電線に付着して電線が切れ大停電を起こす、といったことが起こる。規模にもよるが、火山灰が10cmも積もると、完全に経済が麻痺する。おそらく1ヵ月は外出できなくなる。などなど大変な状態になるとのことが明々白々なのだそうです。この場合火山とは富士山です。富士山は宝永大噴火(1707年)以来、300年噴火していません。宝永地震との連動を考えると次回の南海トラフ地震との連動は大いに考えられるようです。

https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20250408/se1/00m/020/060000c

https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20200922/se1/00m/020/056000c

2.南海トラフ地震について

 日本の周りには、ユーラシアプレート、フィリピン海プレート、太平洋プレート、北米プレートの4つのプレートがある。南海トラフはユーラシアプレートとフィリピン海プレートの接点です(ちなみに、東日本大震災は北米プレートと太平洋婦プレートの接点で起こりました)。毎年8cmずつフィリピン海プレートがユーラシアプレートの下に潜り込んでいる。その現象がある年数経過すると、大陸側のプレートが跳ね上がる。それが南海トラフ地震のメカニズムです。

 現在エネルギーが溜まっていて(後述)、すごい規模の地震となるだろうと予想されている。2011年東日本大震災の10倍のM9.1。東日本大震災がM9.0で、死者2万人、20兆円の損害でしたが、次の南海トラフ地震は、死者30万人290兆円の損害が予想されている。ただ、準備次第では1/10の大きさの爆発になる可能性もあるとか。

 南海トラフは、東京から宮崎県までの広い範囲で、人口としては6,800万人が対象になる。その人たちが身動き取れなくなる訳ですから、一度起こると誰も助けに来られない状況は想定した方がいい。となれば、死者30万人もうなずける。ただし、準備次第では1/10の被害に抑えることも可能だそうです。

https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20250506/se1/00m/020/045000c

https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20200901/se1/00m/020/062000c

3.南海トラフ地震はいつか?

 現在一番可能性が高い地震が南海トラフと言われている。では次はいつ起こるのか。歴史をみると100年に1回の周期で起こっている。前回の南海トラフ地震は1946年でした。現在80年経つところなので、そろそろ起こると言われる所以です。

南海トラフには3つの震源域がある。

・南海地震の震源域(四国から和歌山)

・東南海地震の震源域(岐阜から愛知)

・東海地震の震源域(静岡)

過去の南海トラフ地震は、

・1605年 慶長地震(M7.9)

・1707年 宝永地震(M9クラス)

・1854年 安政東海地震(M8.4・11/4)、安政南海地震(M8.4・11/5)

・1944年 昭和東南海地震(M7.9・12/7)

・1946年 昭和南海地震(M8.0・12/21)

東海震源域は、安政地震以降170年以上も地震が起きていない。それだけにエネルギーが溜まっている可能性が高いようです。

鎌田先生が過去の文献を調べたところ、室津港(高知県)で観測された隆起量は、

・1707年宝永地震・・・1.8m

・1854年安政南海地震・・・1.2m

・1946年総和南海地震・・・1.15mとなっている。

この現象は、海溝型地震(プレートの境界にある海溝沿いで発生する地震)による地盤沈下からの「リバウンド隆起」と呼ばれており、1.8mが元に戻るのに約150年、1.2mが元に戻るのに92年、1.15mも前回と同じ92年とすると、次回は2038年となる。覚えやすくするために、鎌田先生は2035年±5年(2030~2040年)と言っています。

https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20250107/se1/00m/020/058000c

4.何を準備するといいのか

 先述のように、南海トラフ地震や富士山の噴火が起こると、1ヵ月は経済活動が止まる可能性がありますので、家庭では1週間分、会社では3日分の準備が必要と言われています。勿論、場合によっては、それ以上も考えられます。

揃えるものは、

食糧、水、簡易トイレ、マスク、ゴーグル、簡易充電器などなど。 我が家でもベッドの横の壁に緊急用のリュックが下がっています。富士山が噴火すると、完全に自力の生活をせざるを得なくなりますので、皆さんも万全の準備をしましょう。

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