映画「国宝」を観て

週末、最近話題の映画「国宝」を観てきました。3時間と長編でしたが、アッという間に終わったと言う感じです。

https://kokuhou-movie.com

評判がいいだけあって、キャスト、スタッフ、演技など、すごく時間と労力をかけている作品だなと感じました。実際、主役の吉沢亮さんと準主役の横浜流星さんは1年以上も歌舞伎の所作を練習したと聞きます。歌舞伎役者を演じた俳優の血の出るような努力が目に浮かびました。特に主役を演じた吉沢亮の気迫の演技は「すごい!」の一言に尽きます。姿勢、腰つき、手先、足の運び、、、感激しました。

ストーリーは、ご存知の通りヤクザの家に生まれた主人公喜久雄が歌舞伎の家に引き取られ、同じ年の息子俊介と切磋琢磨して、芸事を極めていくというストーリーです。途中、主人公が歌舞伎の世界に必要な血筋がないがために、芸のためならと悪魔と約束をするシーンがありましたが、本当に悪魔に魂を売ったのではないかと思えるほどの迫真の演技。ここら辺も見所でした。芸事というのは、そのぐらいの覚悟がないと真髄にまで到達しないのかと・・・

一人ひとりの配役が、あの場面でああいう判断をした人を、どのような心構えで演じたのかを考えると切りがないほど、芸とか人間とか男と女とかを考えさせられました。例えば、喜久雄に負けたと思ったライバル俊介が歌舞伎を捨てるのですが、その俊介を喜久雄の恋人である春江が追いかける場面がありました。二人は結婚し、その後俊介は歌舞伎界に戻るのですが、春江は梨園の妻に収まるわけです。そして、客席から喜久雄を観る立場になりました。春江が求めていたものは何?「うち、喜久ちゃんの一番のご贔屓になるの」と春江が言っていたのは、どう解釈すればいいの?

もう一度観に行こうかな。どんな演技や表情をしているのかを観るのも面白いかも、、、

とりとめもない話を書きましたが、いい映画を観ました。

余談になりますが、この演技指導をした中村鴈治郎さんは、高校の同級生です。2年生の時に隣のクラスで、誰か仲のいい友だちがいたんでしょう、よく我々のクラスに来ていました。お母さんは扇千景さん。母親が父兄参観のときに熱心にきている扇さんを見て、「きれいだ、きれいだ」と言っていたのを思い出しました。

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