
当社ホームページにも載っていますが、先日「横浜市産業功労者表彰」を受賞いたしました。皆さんのご支援と社員のフォローのお陰と感謝申し上げる次第です。ありがとうございます。
さて、本日の話は、これとは関係なく、先日慶應義塾大学名誉教授で弁護士の田村次朗先生の講演を聞く機会があったので、ちょっと備忘録がわりにまとめてみました。近江商人の「三方よし」の考え方との共通点も多く、すごく興味をもてた講演でした。
ずばりタイトルは「リーダーシップのきほん-交渉学のすすめ-」。
先生によると、リーダーシップは交渉力と密接な関係がある。日本の教育で足りないのは、リベラルアーツで、正解を導くことに重きをおいているので、コミュニケーション能力や課題解決能力が不足しているということでした。
ではどうしたらいいのか。コミュニケーション能力には、
■「傾聴力」
■「対話力」
■「交渉力」
■「説得力」
4つの基礎的な要素があり、「交渉力」には「傾聴力」と「対話力」が不可欠で、この3つが重なることで「説得力」が発揮されるのだそうです。交渉するときに気をつけなければいけないことは、駆け引きはあまり良くないということです。
例えば、
40万円を30万円に値切られるケースで、35万ではどうかという駆け引きで対応することは良くない。まず相手の利害や背景が何なのかを知ることが大切で、このように値切られたときに間を取ると言った駆け引きは、振り回されるだけだと言います。
このような時は、SMARTというアプローチを使うといいそうです。
S:Situation,Stakeholder・・・状況把握・利害関係者
相手の視点でどうして値切ってくるのかを考える。
M:Mission・・・目標、方針を共有する
相手とどう言う状態がベストなのか、本質的な目標を共有する。
A:Alternative・・・代替案(合意しなかったときの自分側代替案)を準備する
駆け引きに振り回されないため、値段の間を取るといったことではなく、
条件を変えるなどして自分にとって最善の代替案を事前に考えておく。
R:Realistic Option・・・創造的選択肢(WIN-WINを可能にする実現可能な選択肢)
さらに相手にとって受け入れやすい選択肢を用意する。
T:Target・・・合意できる目標の幅を決める。
定量的、定性的な幅をそれぞれ決める。
まさに近江商人の「三方よし」の考えで、相手や地域の発展を考えた交渉や取引こそが、売り手の信頼へとつながり、三方共存で長い取引に発展するのだということです。
足りないところは、「リーダーシップのきほん」(日経文庫、田村次朗・古山彰著)を読んでいただければと思います。
田村先生のNOTEも面白いのでご紹介いたします。