最近聞くメタバースって何?② ~Web3との違い~

最近聞くメタバースって何?② ~Web3との違い~
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前回はメタバースの定義など、概略を解説いたしました。今回は最近よく話題に上る「Web3」との違いについて書き進めさせていただきます。

■「Web3」と違うの?

「違います」が答えとなります。ここでメタバースと「Web3」の何が違うのかを理解するために、まず「Web1」と「Web2」の流れについて理解したいと思います。
「Web1」は、基本的なインターネットです。HTMLやhttpの知識がないとサイトの開設ができないといった段階です。どちらかというと情報は一方通行でした。Amazon、Google、楽天といったIT企業がそれに当たります。
「Web2」は、個人でも情報を発信できるように進化した段階です。人々はプラットフォームを活用して、情報を発信するようになりました。Facebookなどに代表されるSNS、YouTubeが代表的な企業ということになります。この段階になると、これらのプラットフォーム企業が個人情報などを利用した広告で巨大な利益を上げるようになり、最近では個人情報への規制がかかるようになってきています。
「Web3」は、そうした状況を踏まえて、その延長線上に考え出されたコンセプトです。GAFAに集まった権力を分散させようとする動きと言ってもいいかと思います。「個人に主導権を」が基本的なコンセプトとなって進行しています。具体的には、ブロックチェーンと言われる技術を活用して成り立っています。

■ブロックチェーンについて

「Web3」を理解するために、ブロックチェーン技術について理解したいと思います。ブロックチェーンは、分散型台帳と言われる技術です。従来は中央集権的な管理だったのをネットワークに分散させて取引履歴(ブロック)を管理します。そうすることで誰もが取引履歴にアクセスできるオープンな記録形式となるわけです。さらにその取引履歴に時間を記録することで改竄が不可能となりました。この非改竄性によって、仮想通貨といった「価値の交換」が可能となったわけです。
「Web2」と「Web3」の一番の違いは、「情報の交換」から「価値の交換」ができるシステムへ移行したことと理解してもいいかと思います。

一通り「Web3」について説明いたしましたが、明らかにメタバースとは違う流れということがお分かりいただけたかと思います。次回はメタバースに参加するために必要なアバターについて研究してコラムにアップしたいと思います。

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出典:宣伝会議5月号 「マーケティングにおけるメタバースの活路とは?」より作成