来年1月から施行の「電子帳簿保存法」とは

来年1月から施行の「電子帳簿保存法」とは
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今当社でも来年1月1日施行の「電子帳簿保存法」の対応をしています。具体的にはベンダー(対応ソフト供給会社)の選択とそれに対する社内準備です。

いや~、面倒です。政府の言っていることはよく分かります。電子帳簿にすれば、行政側の仕事(特に税務)は大幅に効率化されます。民間側も、当初は手間でも、将来的にはかなり作業が効率化されるだろうと思います。

ポイントとして、「真実性」と「可視化性」の確保をしないといけないことです。この2つの視点で読んでいただけると分かりやすいかと思います。

今回の法改正で面倒なのが、当社の場合、外部の協力会社(ベンダー)を使わないといけないところです。ソフトを買ってオフィス365とかGoogleDriveを使って、社内だけのシステムで十分間に合うと思ったのですが、それが違いました。真実性と検索が必須要件ですが、改竄を防ぐタイムスタンプと検索を容易にするシステム構築を考えると外部ベンダー(サーバー)を使わないといけないのです。

では簡単に説明いたします。

●「電子帳簿保存法」の概要ってどんな法律?

1.紙で保存をしていた帳簿や書類を電子データで保管できるように定めたもの(任意)

PCデータ(紙保存) → 電子データ

紙 → 電子データ

2.電子データで来たデータをそのまま電子データで保管するよう義務づけたものの2つに分かれます。

電子データ → 電子データ

つまりもう少し具体的に言うと下記の通りとなります。

①電子帳簿等の保存
自社で作成した電子帳簿を電子データのまま保存することができる(任意)

②スキャナ保存
紙で保存していた帳簿類をスキャンして電子データで保存することができる(任意)

③電子取引
見積、請求など電子データで送付・受領した場合は、一定の要件を満たした形で保存する(義務化)

※ここで(任意)としてあるのは、将来的には義務化されると解釈していいです。ですから、今から①②③をできるようにしておくことが肝心ということではないでしょうか。

①自己作成した電子帳簿等の電子データでの記録について(任意)
この際重要な要件は下記となりますが、満たしていれば優良な電子帳簿と認められ、優遇措置を受けられます。

・書類を一貫してコンピュータを使用して作成している
・システム関係書類が備え付けてある
・保存場所にディスプレイやプリンタ等が備え付けてあり、速やかに出力できる
・税務職員の求めに応じてダウンロードができる
・訂正削除履歴が保存してある
・帳簿間の相互関連性が分かる
・検索機能が確保されている(取引年月日、取引金額、取引先で検索ができ、かつ左記条件が範囲指定して検索でき、2以上の記録項目を組み合わせた条件で検索ができる)

※詳しくは国税庁の下記サイトをご覧ください。
https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/05.htm

②スキャナ保存について(任意)
真実性や可視化性を確保することが必要です。紙データをスキャンして電子データに変換させる訳ですから、この部分の手間、正確性が気になるところです。

・入力期間の制限があります(原則7日以内)
・タイムスタンプの付与
・ヴァージョン管理
・帳簿との相互関連性
・検索機能の確保
・一定水準以上の解像度とカラー画像の読み取り
・見読可能装置の備え付け など

詳しくは国税庁の下記サイトをご覧ください。 https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/07scan/02.htm#a012

③電子取引の保存要件について(原則義務化)
真実性や可視化性を確保することが必要です。

○電子取引とは
・電子メールによる請求書、領収書のPDFファイルの受領
・インターネットのホームページから請求書、領収書のPDFファイルをダウンロード
・クラウドサービスを利用しての電子請求書、領収書の受領
・クレジットカードの利用明細、交通系ICカードの支払いデータなど、クラウドサービスにより請求書や領収書を受領
・EDIシステム(電子データの自動交換システム)を利用
・ペーパーレスFAXでの請求書、領収書のPDFファイルの受領
・請求書、領収書データのDVDなどでの授受。

を指します。

○保存要件としては
・タイムスタンプが付された後の授受
・授受後遅滞なくタイムスタンプを付す
・データ訂正削除の記録が残るか、訂正削除ができないシステムを利用
・訂正削除の防止に関する事務処理規程の備え付け
・見読可能装置の備え付け
・検索機能の確保
・電子計算機処理システムの概要書を備え付け

詳しくは国税庁の下記サイトをご覧ください。
https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/07denshi/02.htm#a009