2022年度日本屋外広告フォーラム調査結果①

2022年度日本屋外広告フォーラム調査結果①
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当社で所属している日本屋外広告フォーラムの2022年度調査の結果が出ました。屋外広告のリーチとその効果についての調査でした。今回は、リーチ(量)だけでなく、そのインパクト(質)についても言及したところが注目すべきところです。

具体的調査内容は、

1.アナログとデジタル(ビジョン)の屋外広告の効果の違い

2.街と広告の親和性

についてです。

 

調べた対象は、1都3県に在住している男女15~69歳で、新宿、渋谷、六本木、銀座、新橋、表参道、原宿、池袋、品川、秋葉原のいずれかに直近1ヵ月来街した人たちです。

(インターネット調査、2022年12月23日~2023年1月4日)

屋外広告を下記の4つのタイプに分類して調査。

(A)アナログ看板で1面だけのもの

(B)アナログ看板で複数面のもの(同じ広告が上下左右に掲示されている)

(C)屋外ビジョンで1面だけのもの

(D)屋外ビジョンで複数面のもの(同じ広告が同時に放映されている)

 

6月のコラムでは、1.について要約を書きます。結果から言いますと、到達量(リーチ、フリクエンシー)だけではなく質(インパクト=ココロを動かす力)も重要な役割を果たしていることが分かりました。

 

まず「認知」についてです。

図1を見ると、それぞれの性別年代でどのタイプの広告に「認知」の優位性があるかが分かります。アナログ看板、デジタル(ビジョン)看板ともに「単面」が「複数面」を上回りました。これは調査時点で実際の設置数が複数面よりも単面の方が多いという実態を反映したものと考えられています。

 

■(図1)屋外広告のタイプ別1ヵ月認知状況

Q5.あなたは、最近1ヵ月の間に下記のタイプの屋外広告をご覧になったことがありますか。それぞれに関してお知らせください。

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また単面・複数面ともに「認知」の優位性では「屋外ビジョン広告」が「アナログ看板」より高くなっています(単面:デジ64.2>アナ62.8、複数面:デジ59.9>アナ53.4)。ここで注目すべき所見は、10代、20代の女性で「屋外ビジョン広告」の複数面が高いことです。男性においても、10代、20代の「屋外ビジョン広告」複数面の数字が他の年代より上回っていますので、これからこういう世代が増えてきますから、動画での訴求が益々効果的になるでしょうね。

次ぎに図2をご覧ください。「インパクト」についてです。
屋外広告タイプが持つ気持ちを動かす力(=インパクト)を10段階で評価したものです。それぞれの広告タイプのインパクト係数(平均値)は、「デジタル複数面(6.19)」>「デジタル単面(5.78)」>「アナログ複数面(4.72)」>「アナログ単面(4.56)」となりました。これは、動画、それも複数面を使った広告の方がインパクトがあると言うことを示しています。これまで感覚的に「動画、それも複数面の利用が効果あるだろう」と理解していたことが証明されたと言っていいでしょう。

 

■(図2)屋外広告のタイプ別 インパクト係数

→それぞれの屋外広告タイプが持つ気持ちを動かす力(=インパクト)を10段階で評価した

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以上、動画広告はインパクトを加味して考えると、アナログより優位性があるので、益々動画の活用範囲が増えてくるものと思われます。当社も動画対応に力を入れていますが、競合との差別化をさらに図っていきたいと思います。

最後に余談ですが、現在、ロゴ、サウンドロゴ、あるいは色が、ブランドの商標登録の対象になっています。音によってブランド価値を高める「ソニック・ブランディング」を多くの企業が取り入れています。それと同じで、動きにインパクト(気持ちを動かす力)があるわけですから、シルエットと動きのパターンまでもが商標登録の対象になってくるのではないかと思いました。あるシルエットと動きを見るとブランドAを思いうかべる。その特定のシルエットと動きを商標登録しますって、大いにあり得ます。